雇用を掲げる政策とは思えない
現政権は、本当に正気だとは思えない。
今回の臨時国会で成立を目指している労働者派遣法改正案。
製造業への派遣の原則禁止等を盛り込んだものだが、雇用確保を掲げる政権の政策とはとても思えない。
雇用を確保するには企業活動が鍵なのに
この改正案は、基本的に企業への負担を加速させるもの。基本的に人件費が高く、原材料等を輸入しなければ商品が作れない日本で、製造業がなんとか耐えて来れたのは派遣という雇用制度があったため、必要な時にリソースを得ることができるという柔軟な対応ができたからだ。
さらに、昨今の円高で製造業が生産拠点をどんどん海外に移すだろう。海外に行けば生き残れる訳ではないが、日本に残れば生きていけない。だから海外に出て行くしかないのだ。
こうした状況の中で、なぜ今この時に、首相が第1に掲げる政策実現に向けて確実に妨げる改正案を通そうとするのだろうか?
この改正案で正社員は増えるのか
なぜ民主党はこの改正案を通そうとするかと言えば、企業が正社員を増やすことになり、正社員になれば待遇改善されると思ってるからだろう。
でも、本当にそうなのか?
まず、上述した通り、企業自体が無くなるかもしれない。そうすれば、正社員を増やすより、正社員を解雇しなければいけなくなる。あのトヨタですらカローラの輸出車を海外生産に移すって言ってるんです。年間15万台の生産力が不要になれば、雇用どころではないですよね。
では、国内で派遣を活用していた企業は、これからどうするか。
ま、僕が経営者なら正社員という身分と引き換えに、賃金はものすごく抑えますね。だって、必要なときのリソースとして活用していたのに、必要でないときもリソースとして負担しなければいけないのだから。
コンビニみたいな24時間営業のお店の一日で置き換えてみると分かりやすいかも。
昼間と夜中ってどっちが忙しいか?ま、普通は昼間ですね。お客が多いから定員も多く配置し、夜中のお客が少ないときは店員を少なくする。これが、柔軟なリソース確保です。
でも、常に同じ人数を置いておかなければいけないってルールが出来たらどうです?単純に人件費が増えてしまうのでコスト増。収益を圧迫するから人権ひさげますよね。これと一緒です。そうすると、今まで派遣で夜中働いていた人は、正社員として夜中働くと必然的に賃金は下がってしまいます。
結論、ルールの作り方次第ですが、『正社員』という肩書きを持つ人は増える可能性はある。しかし、賃金を中心とした待遇は悪化する可能性が高い。
こんな改正案、本当に現場は望んでいるんでしょうか?
派遣社員55%が「反対」=製造業への規制強化−東大調査
ソース:http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2010101600199
対象となっている方の55%が反対って、これも民意だろう。
さらに、経営者陣も同様に不安が隠せないもよう。
労働者派遣法改正案審議 中小 受注機会減少など警戒感
先日の無償化の話もそうだけど、誰の為の政策・法案なんだろうか?
量と職種のミスマッチが最大の問題
言うまでもなく、派遣で働く方々の身分や待遇が不安定であり、なにか対応が必要な問題であることは事実です。
まず前提として、多くの派遣を抱え生産を行ってきた自動車や電機企業は、生産拠点を海外に求めていきます。つまり、雇用のニーズ自体が無くなります。
すると、一番の問題は、雇用する側と、雇用されたい側の職種のミスマッチだ。
労働力を欲する産業の一番手としてあがるのは介護業界だろう。この職種に就く為にどうすればいいのかよくわからないが、資格とか必要なんだろう。もっと他に規制があるのかもしれない。
他の業種でも、規制の問題で働けないのかもしれない。
今必要なことは、今のルールを厳しくするのではなく『規制緩和』じゃないんだろうか?
どうであれ、労働者派遣法改正案を今国会で成立させようとしている意味が分からない。
正気ではなく、何かに取り付かれているようだ!
