wachsen-ba100で東海道宿場巡り330km自転車で走った
俺は馬鹿なのか・・・
「帰省して、しまなみ街道をサイクリング」が不可能になった。週末静岡の嫁の実家に行くことになり、ふと思い立った自転車帰省。
ただの勢い・・・
計画
ざっと見積もって300km。15km/h平均で走れば20時間。難所は箱根。休憩入れて24時間目標でいける!
でも、遠い目標を目指すことが苦手。細かな目標を設定し、積み重ねることで頑張れるタイプなので、今回のサブタイトルは
「東海道五十三次 宿場巡り」
に決定。宿場間が15km弱と、1時間前後での休憩という最適な距離感。各宿場の本陣跡で記念撮影してくることにした。
ルートは、Google mapと、静岡県 文化・観光部 観光局観光政策課が管理している、「通しで歩ける東海道マップ」というサイトからダインロードした地図を使った。この地図はプリントアウトして持っていったんだけど、相当助けられました!是非東海道のたびのお供に(静岡県内だけですが)。(リンク:http://shizuoka-tokaido.com/)
各宿場間の道順と距離、目標時間を設定。
時間設定は、15km/hというスローぺース設定。
0:00 出発
2:30 日本橋出発
9:15 箱根に挑戦 3時間で超える
21:45 掛川着
そのほか、観光として3箇所を設定
・由比宿-興津宿間にある、薩た峠
・江尻宿(清水区)にある、サッカー神社参拝
・藤枝宿-島田宿間で、大井川にかかる蓬莱橋
間違いなく汗だくで臭くなるので、グルメ目的は一切お預けで。
パートナー選び
今回のパートナーは、wachsen ba-100(改)としました。
IDIOM君との争いでしたが、以下の点で大幅にwachsen ba-100(改)が優れていました。
・悪路が予想されるため、衝撃吸収してくれるタイヤ
・パンク修理をどの自転車やでも対応できる
・荷物を自転車に運ばせられる
・壊れても諦めがつく
夜中に都内と、静岡の山奥を走る計画なので、前後2つずつライトを装着しヘルメットの後部にも100均で購入したLEDライト、タイヤにもライトという、これで、「自転車が見えなかったなんて言わせない」モードの出来上がりです。
出発
仮眠をとろうとしましたが、寝付けなかったので23時に出発を決意。
準備を終えさあ出発と玄関を出たとき、まさかの事態発生。
ハンドルが変な方向に回ってる
ハンドルの折りたたみ機構部が緩んでいて、ハンドルだけ回る状態。
いや~、出発直前だったけど判明しててよかった。
これは、神様が気をつけなさいと忠告してくれていると前向きにとらえ、もう一度全てのネジを締めなおし。
結局、予定通り0:00に出発。
月が綺麗だった。
日本橋 - 箱根湯本
2:00 予定より30分ほど早く日本橋を出発。日本橋にある碑なんてまともに見たのは初めてです。
品川:10km 小さな公園になっていて、地面に埋め込まれてました
川崎:11km
神奈川:10km
保土ヶ谷:5km
戸塚:10km
藤沢:7km
平塚:15km
大磯:3km
小田原:16km
箱根湯本のセブンイレブン:6km
神奈川も広い。
小田原に着いたとき、本当にうれしかったなぁ~!
箱根湯元のセブンイレブンで朝食かねた栄養補給。1Lの水も買って、体中にぶっかけて箱根に挑む準備。
日本橋から 93km 7時間
箱根超え:山の神は常人ではない!
セブンイレブンを出発した瞬間から急坂。
箱根を越えるルートは大きく3つあるが、今回は旧東海道(県道732号)を選択。車が少ないことが決めて。
序盤は、上っては下ってという繰り返し。まだまだ余裕で、「さっき上った標高を返せ~!」なんて叫びながらペダルを踏んでいた。
徐々にのぼり一辺倒。
・・・
箱根大天狗山神社のでっかい鳥居や、間宿である畑宿を通るが、立ち寄ったり写真を撮る余裕がない。止まったら二度とペダルを回せないだろう。
目標は、自転車でのぼりきる!
これから1.3km 勾配10%のカーブが続くぜという『七曲り』の標識。
すでに何キロも続いてるじゃね~か!と、心の中で突っ込むが声はでない。
7つ頑張る。心に決めてペダルを踏む。
カーブのインコースは、直角か!と思えるほどの急坂。
・・・
7つ目を終えても急坂が続く・・・
心が折れた(1回目)。もうペダルを踏めない・・・
自転車を押して歩いた。
延々と急坂が続く。
歩きを止めたら、動けなくなりそうだから、黙々と歩く。
横を通り過ぎる登山バス。何度、『乗せてくれぇ~』と叫びそうになったことか。
『猿滑りの坂』 『追込坂』 ・・・
なんとも、やる気を沿いでくれる坂の名前達。
甘酒茶屋。
甘酒なんて呑む余裕はない。公衆トイレに駆け込み、水を体中に浴びる。
頑張った。
自転車に乗り続けることはできなかったけど、頑張った。
芦ノ湖が見え、下り坂。
苦行からの開放に安堵しながら、下り坂の勢いに任せ一気に下る。
箱根:13km 箱根ホテルにある記念樹
箱根は宿場よりも、箱根駅伝のほうが大事にされている感じ。
休憩場所を探して道なりにいくと驚愕の事実が。
また登り坂・・・
もう登れませんよ。
箱根-三島 いよいよ静岡県
どこまで続くかわからない登り坂。
途中、道の駅箱根峠でソフトクリームを食べる。本当の目的は、トイレで水を浴びること。もう、靴の中はぐちょぐちょで気持悪い。
30分ほど休憩し、再スタート。もう降りない!
ついに・・・
ついに・・・
ようやく・・・
下り坂ぁ!!!
ようやく静岡入り。
ここからは15km程度、全部下り坂。wachsen ba-100(改)でも50km/hは出てたと思う。”壊れたら死ぬな”とか考えながら、通り抜ける大型バスに恐怖しながら一気に下る。
三島:19km
三島は商店に活気があって、ちょっと元気が出てきた。隣の銀行ではサマージャンボ最終日ということで元気に呼び込み中。
日本橋から 125km 10時間30分
三島-府中 まさかの往復
沼津:6km
原:7km
吉原:12km
蒲原:11km
由比:4km
興津:10km
江尻:6km
府中:11km
由比に着いたとき、予定より30分遅れていた。体力より心がやばい。薩た峠は見送った。国道1号線を走って早く次の興津へ着きたいという気持が上回る。国1脇の自転車道を向かい風を受けながら黙々とペダルを踏む。
・・・事件。
興津に到着すると、自転車についているはずのリュックがない・・・
泣いた。
でも泣いてる暇はないので、全力でUターン。海岸線を走る。風の強い自転車道を、爆走。このまま見つからなかったらどうしよう。お金も電話もない。誰にも連絡が取れない。とてつもない孤独感に打ちのめされながら全力疾走。10km戻ったところにリュックが転がっていた。中身はすべてある。安堵とともに、心が折れた音が確実に聞こえた。再度興津に向かう道のりは、記憶にない。
江尻では、サッカー神社に寄った。本陣跡のすぐそばだったから。
あと、蓬莱橋は是非渡りたかったが、時間切れで立ち寄れず。
府中(静岡)に着いたのが19:15。予定より1時間15分遅れ。膝と肩が痛い。
とりあえず飯食って気分転換と思い、イートインできるコンビニで弁当とパンを食う。1時間くらい、リタイアか続けるか自問自答を続ける。
日本橋から 192km 17時間30分
※由比-興津間は3回走ったので、走った距離は212kmに達した・・・
府中-掛川
自問自答の末、掛川までは頑張ると心に決める。子供達に、『お父さんは諦めた』と思われたくないという意地だけ!
でも、時刻は20:00。あたりは真っ暗。これからのルートは山奥に入っていく。
24時間以内にゴールすることを第1目標とし、本陣跡での記念撮影はあきらめた。そもそも、暗くて見つけることが出来るかもわからない。
黙々とペダルを踏む。本当に何も考えずペダルを漕いでいた。
できるだけ国1号を走りたかったが、自転車が通れないバイパスになっているので、予定通り宿場を通るルートで向かう。
府中から島田までは長かった。暗い県道、変化のない暗い県道。
『もう休んじゃいな』と誘惑する漫喫の看板を振りきり黙々とペダルを漕ぐ。
金谷の坂道は厳しかった。去年の夏は、ここでSLに乗ってトーマス機関車見て楽しい思いでいっぱいなんだけどなぁ~。今年の夏は、真っ暗な山道を黙々と自転車で登ってる。イノシシとか出てきたら殺られると思った。
その後の下り坂は国1脇のバイパス。真っ暗でスピードを出すと恐ろしい。
もう、心は完全に折れている。ただただ、進むしかないから漕いでいる。
掛川:55km(府中から)
もう、本陣跡を探す気力もなく駅で記念写真。
駅には、モモクロのライブ帰りの若者であふれていた。
もう走りたくない!
しかし宿はない。
警察官に怪しまれながら街中をぐるぐる回る。唯一休めそうなお店はカラオケボックスだけ。5時までと言われたが迷わず入店。歌うことはなく、体を拭き、靴を脱ぎ、ソファーに足を投げ出し、ドリンクバーの氷で両膝を冷やしながら3時間爆睡。
もう走らなくていいという安堵感が気持ちよかった。
走行に関するまとめ
日本橋 - 掛川間
距離:247km
時間:22時間
今回の東海道ライドでわかったこと
・箱根の山は半端なかった
・荷物の固定はしっかりと
・電気の充電切れ
・ガムの噛み過ぎで、舌が痛くなった
・両肩が痛い(これはポジションの問題か?)
・膝上の筋肉が相当痛くなる
・足に水を掛けながら走ったので、足裏がふやけて皮がずれて痛くなる
・暑さは以外と気にならない
マシントラブルはなく、チョイスは間違いなかったと思うが次の2つは対応しておくべきだった。
・タイヤ交換
20インチ×1.75 → 1.35
太くて安定感があり、クッション性も高いけど、転がりが悪く脚に負担が大きい。
クッション性と走行性の天秤だけど、もう少し走行性を上げたい
・ギア 6速 → 8速化
6速でも相当脚があまってしまう。
掛川-実家
翌朝、ファミレスに入りモーニングセットだけで3時間ほど居座る。
筋肉痛はなく、膝と肩の痛みも和らいでいる。
よって25km先にある、嫁の実家に向かって発進。
山道を登り、青々とした田んぼで心を癒しながらゴールを目指す。天気が良くて、気持ちのいいサイクリング。途中、遠州浜名湖線の列車通過に遭遇したので記念撮影!
この後家族と実家で合流し、休む間もなく川遊び。
川沿いで爆睡してしまった・・・。
●総合成績
自宅 - 実家
走行距離:330km
時間:26時間
今回の旅のしおり
2015夏_東海道宿場を巡りながら自転車で帰省に挑戦.pdf
次は、山の険しくないところにする!